クマの捕獲に協力した秋田県猟友会の会長である佐藤寿男さんは、「ある程度の苦情は見越していた」と話す。
「今回、ワナの設置についてはお手伝いしましたが、猟友会には基本的に待機命令があっただけ。猟友会主導でやるとまた、殺処分に関する苦情などで猟友会のほうに迷惑がかかるかもしれないという配慮で、県警と市が主導権を握って捕獲する方針になりました。市街地であるということもあり、銃を使うという可能性は初めからありませんでしたね」
クマの駆除に関する賛否についてはさらにこう続けた。
「そんなこと言ったって、危険があるクマは殺さないといけない。仮に捕まえて山に放したとしても、またすぐに戻ってくるんだよ。(秋田)市内に現れるようなタイプは特に危ない。
というのも市街地の周辺で生まれたクマの子どもは学習能力が高いんです。山の奥のほうにどれだけエサがあっても、それだけでは耐えられない個体もいるみたいで……」
時代や環境に合わせてクマも変化していると語った佐藤さん。秋田市内ではクマが捕獲された翌日4日にもクマの目撃情報があり、警察が現在も周辺地区の警戒にあたっているという。「市街地にクマは出ない」という一般論はもう通用しないのか──。