日本は休むことに寛容ではない
オリンピックで出会ったドイツ人の彼は、優先順位をその時々で変えながら、仕事もプライベートも全力投球だった。彼の人生はとても輝いているように見えて、私もこんなふうに生きたいと憧れた。彼は別れ際に「Enjoy your life!」と言いながら手を振ってくれた。
日本は休むことに寛容ではないし、一度立ち止まった人間に厳しい社会だ。でも、誰だって休みは必要だし、立ち止まるのは当たり前。我慢して壊れるより、労働と休みのバランスを自分でコントロールできるほうが、精神的にも身体的にも安心安全な暮らしができるような気がする。
今の私はフリーランスだから自分で仕事を調整できて、プライベートの時間も大切にして、以前より生活を楽しむことができているから、労働が「罰」だとは感じなくなった。バランスは大事だと改めて思う。
また、人生で大切にしたいことは人それぞれで、それは何個あってもいいし、年齢によって異なっていい。自分を幸せに導けるものはいくつだって欲張っていいと思う。だから、働き方の選択を自由にできて、その選択によってキャリアを阻まれることのない世の中に早くなってほしいと願う(願うだけじゃなくて行動しろよとか言われそう)。
性別や生活、病気、子育てなど関係なく、心身ともに健康で過ごすための選択を、何の不安もなくできるような社会になったらな~とぼやぼや思ったことを、今回は綴ってみました。次回は今年ラストかな? お楽しみに。
【プロフィール】渡邊渚(わたなべ・なぎさ)/1997年生まれ、新潟県出身。2020年に慶大卒業後、フジテレビ入社。『めざましテレビ』『もしもツアーズ』など人気番組を担当するも、2023年に体調不良で休業。2024年8月末で同局を退社した。今後はフリーで活動していく。1月29日に初のフォトエッセイが発売予定! 渡邊渚アナの新連載エッセイ「ひたむきに咲く」は「NEWSポストセブン」より隔週で配信していきます。