雅子さまが61才の誕生日を迎えられる直前、「誕生日文書の遅延」というハプニングが起きていたのだが、実は今回が初めてではない。療養中の雅子さまにご無理を強いることはできないが、「国民の期待に応える皇后のお姿」を支え、実現させるのもまた、周囲の役割なのではないか──。
《今年も多くの方に支えていただきながら、こうして無事に誕生日を迎えることができましたことに感謝しつつ、日頃より皆様から寄せていただいている温かいお気持ちに対し、改めて心から御礼をお伝えしたいと思います》
雅子さまは12月9日、61才の誕生日を迎えられた。同日、両陛下は上皇ご夫妻へのご挨拶のため、仙洞御所に足を運ばれた。
「雅子さまは、沿道に集まった人々に顔がよく見えるよう座り方を工夫されていました。リラックスされた表情でした」(皇室記者)
冒頭は、雅子さまが1年を振り返り、感謝を込められた「誕生日文書」の一部。およそ3600字にもおよぶ、“力作”だ。
「かつては誕生日に際して会見が行われていましたが、2004年の療養入り以降は、文書でご感想を明かされるのみにとどまっています。今回、宮内庁の担当記者からは“文書で構わないから、質問に回答する形式はどうか”と要望があったそうですが、実現はしませんでした」(別の皇室記者)
話題は多岐にわたる。能登半島地震などの自然災害、世界で続く紛争、環境問題、物価高、愛子さまのご活躍、そして、地方公務や国賓としてのイギリスご訪問など、さまざまなテーマが盛り込まれている。
「雅子さまは皇后というお立場と、皇后の発する言葉の影響力の大きさをよくご存じです。だからこそあちこちに目を配られ、丁寧な文書になっているのでしょう」(前出・別の皇室記者)
遅延は「当然のこと」と認識
年々長くなる文章には、あらゆることへの思いを正しく、誤解されることなく伝えたいという雅子さまのお気持ちがにじみ出ている。
「過去には文書の公表後に、些細な言い回しの修正や単語の追加などが行われたこともありました。それは皇太子妃時代、雅子さまへの心ないバッシングが続いた時期のことでした」(皇室ジャーナリスト)
だが“丁寧すぎる”姿勢が裏目に出ることもあった。
「例年、ギリギリまで内容を吟味し、推敲を重ねられます。あまりに没頭しすぎて、記者たちに文書を渡すはずの時間を過ぎてしまうこともままありました」(前出・皇室ジャーナリスト)