母・浩子被告が見ていた「妄想上の恋人」
これまでの公判では、瑠奈被告が“ジェフ・ザ・キラー”という妄想上の恋人と会話していたことも明かされてきた。母親は、“あちらの世界”という表現を使いながら、娘の恋人について語る。
「私は実際のジェフさんのキャラを把握していませんが、ナイフ使いが得意な方という認識です。『ピンチのとき、あちらの世界で助けに来てくれるんだ』と、毎日ジェフさんの話題が出てきました」
妄想上の恋人といえど、瑠奈被告にとって、ジェフはヒーロー的な存在だったようだ。ジェフとの関係に悩んで涙することもあった。
「『あんなにひどい目にあっているのに助けてくれなかった。どこにいるんだろう。もう私のことが好きじゃないんじゃないか』と1日中、大泣きすることもありました。
娘にとっては、“あちらの世界”も現実なんだということがわかっていきました。最初の頃、『あちらの世界』と言ったらいいのに、うっかり『夢』と言って(娘に)激怒されたことがありました。言葉遣いひとつで興奮させたくないので、気をつけるようにしていました」