新井被告が「肉体関係を持った」と主張するのは、2015年1月8日午前10時からの町長室での面会でのことだが、その一部始終を新井被告が録音していたことが、捜査の過程で判明。2023年2月、名誉毀損罪で在宅起訴された飯塚氏の初公判で、音声データが再生された。そこには性暴力をうかがわせるような音声は一切認められなかったのである。さらに、町長が新井被告らを相手取って起こした民事裁判の本人尋問において、新井被告自身が「肉体関係はなかった」旨を認めていた。民事裁判は今年11月26日、新井氏に165万円の支払いを命じた判決が確定している。
このように、新井被告の刑事裁判初公判は「肉体関係があった」という彼女の告白が“嘘”であることが他の裁判で明らかになった段階で始まったのであるが、新井被告は罪状認否において、名誉毀損については「無罪を主張します」と述べた。
髪の毛はショートカットに整えられ、眼鏡にマスク。クリーム色のワンピースに黒いハイソックスを履き、怪我をしているのか、左腕には黒いアームホルダーが装着されている。担当弁護人は「飯塚氏の単独で電子書籍が発行された。仮にそうでないとしても、町長からのわいせつ行為の真実性は認められる」と述べ“肉体関係はなかったが、わいせつ行為はあった”と主張した。