衆参ダブル選挙でも、参院選単独となっても、選挙後の情勢次第で玉木氏を首相に担ぐ2つの動きが出てくる。
一方は3月同様に、「玉木首相」で自公国3党連立、あるいは立憲の一部を含めた連立を組む亀井シナリオだ。もう一つは、玉木首班による非自民連立政権だ。前出・藤本氏が指摘する。
「参院選後に参院の勢力まで与野党伯仲状況になれば、自民党が玉木氏を首相に担ぐ前に、立憲民主党が玉木首班による非自民連立政権に向けて動く可能性が高い。自民党が議員数で第一党でも、過半数を割っていた場合、野党共闘すれば総理を取れる。かつて野党8党派が連立を組んで自民党から政権を奪った細川政権のやり方です。
細川政権の仕掛け人だった小沢一郎氏はこの構想を口にして、103万円の壁についても、『自民党にお世辞を言ってやってもらう必要はない。玉木君は自分の政権でやればなんぼでもやりやすい』と玉木氏に呼びかけている。当然、選挙後は様々なアプローチをするはずです」
これまで20年以上、自民党と連立を組んできた公明党も国民民主に擦り寄っている。臨時国会では政治資金の流れを監視する第三者機関の「政治資金監視委員会」設置法案を自民党ではなく、国民民主と共同提出した。
玉木首班の非自民連立に公明党まで加われば、まさに細川連立の再現だ。
2025年の政界は、石破政権の危機が深まるほど、与党と野党が玉木氏を奪い合い、首相に担ごうとする動きが強まりそうだ。
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※週刊ポスト2024年1月3・10日号