巨人の応援でタオルを振り回す“ナベツネさん”(時事通信フォト)

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「日本と米国は対等でなければならない」

 渡辺氏は沖縄戦が始まって日本の敗色濃厚になっていた昭和20年4月に東京大学哲学科に入学。わずか3か月後の6月29日に召集令状を受け、陸軍二等兵として三宿砲兵連隊に入営。相模湾に上陸してくる米軍を榴弾砲で迎え撃つために部隊が移動した神奈川県茅ヶ崎で敗戦を迎えた。

「それとも関連しますが、渡辺さんは日米同盟には賛同はしているが、日本と米国は対等でなければならない、ということも信念として持っていました。その前提として、実際の日米同盟というのは、日本の対米従属関係であったということです。日本は米国に守ってもらっている。米国の軍事で日本を守ってもらっている。だから、米国の言うことは何でも聞かねばならない。そういう関係が現実でした。

 そうしたなかで1970年代、80年代に日本は、経済力で世界一の立場にありました。ジャパン・アズ・ナンバー1と言われていた。しかし米国は1980年代、経済が赤字になる。米国経済は悪化していったのです。そのなかで、レーガン大統領が、日本を潰せと言った。その後、構造協議などで歴代の米政権は日本経済を潰していった。

 そのレーガンの時代、日本では中曽根政権でした。その中曽根さんに僕は言ったんだ。『何で日本として、言うべきことを言わないのか』と。中曽根さんは『日本は米国から守ってもらっているから、残念だが抗議できないんだ』と説明するわけです。米国に言いたいのはやまやまだが、日本を守ってもらっている以上、それはできないのだと。

 これを何とかして変えられないか、それが渡辺さんの想いであり、そのために政治を強くしなければならないと考えていたわけです。

 日本が米国と対等になるには、日本が米国と闘っても勝てるぐらいの軍事力を持たねばならない。当然、核兵器も持たねばならない。それを阻んでいるのは日本国憲法であり、だから憲法改正をしなくてはならない。そのためには政治が強くならなければならない。その思いで政治に関与してきたのです」

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