青学は「前回より強い」
その点、この10年で7度の総合優勝経験を誇るのが青学大だ。
「青学は“こういう展開なら勝てる”という自信を原晋監督だけでなく選手も持っている。“箱根だけは絶対に勝つ”という姿勢が強いんです。前回の優勝メンバーが7人も残っていて、チーム力は前回を凌ぎます。前回の山登り5区で区間2位の若林宏樹君(4年)と山下りの6区で同じく区間2位の野村昭夢君(4年)という経験者も揃っています」
前回は太田蒼生(4年)が3区で日本人歴代最高記録を叩き出す走りを見せ、駒沢大の絶対的エースと目されていた佐藤圭汰(3年)を逆転。優勝の原動力となった。
「大舞台で太田君のようなゲームチェンジャーが出現するのが青学大。原監督は選手を調子に乗せるのが上手で、16人の登録メンバー全員を乗せた時の青学は実に強い」
12月12日の壮行会でも原氏は自信をのぞかせたが、「そうは言っても心中に不安はあるはず」と瀬古氏は付け加えた。
「1年前も12月初旬に原監督と食事をした時は、チーム内でのインフルエンザの流行などで“今回はヤバいです……”と口にしていた。それが蓋を開けたら優勝。12月の最後の調整にも結果は左右されるのです」
総合優勝8回の駒沢大もチャンスはあるという。
「今回は大エースの篠原倖太朗君(4年)のチームです。主軸の佐藤君を欠きながら出雲、全日本で2位に入るのは、さすが藤田敦史監督。ただ、箱根で優勝するには佐藤君の復帰がマストになる」