少数与党となった自民党(時事通信フォト)

少数与党となった自民党(時事通信フォト)

田原:高市早苗はやる気はあるんだろうけど中国との関係が悪化するから僕は反対。他にいる?

古市:僕は明るい人がいいです。小泉進次郎さんでも鈴木英敬さんでも。石破さんは暗いじゃないですか。暗い時代に暗い政治家は見ていられないので。

田原:いいや、石破は暗いんじゃないよ。総理になって言いたいこと言えないから気持ちが暗くなっている。

古市:僕は本当は総裁選で進次郎さんに勝ってほしかった。ライドシェアなど都会の現役世代に向けた政策ばかり言ったから、地方の年齢層が高い自民党員の支持が得られずに負けた。戦略ミスだった。総選挙ならあれで良かったのでしょうけど。

田原:僕も進次郎が負けたのは残念だった。

古市:やっぱり世代交代は必要です。世界のリーダーはどんどん若返っている。日本でも若いリーダーを周りのベテランが助けるという構図があってもいいと思います。

田原:小泉進次郎総理を齋藤健官房長官が支える。そういう構図ができればいいかもしれない。

古市:トランプの返り咲きでこれから日本の外交は難しくなる。日本は地政学的に韓国、中国との関係は重要だから、次の総理に交代するまでは、石破さんに信念があるなら日中の関係強化もやってもらわないと。

田原:信念はあるの。度胸がない。

古市:ここでも度胸(笑)。政治家の度胸はどうやればつくんですか。

田原:殺されてもいいと覚悟することだよ。

古市:総理はみんなそう思ってなるのではないんですか。

田原:そうでもない。殺されてもいいと覚悟していたのは田中角栄。その芽があったのは安倍晋三と小泉純一郎。小泉が総裁選に挑む時、僕は「あなたが田中派と全面的に戦うなら支持する。でもそれをやったら反対されて総理にはなれないよ」と言ったら、小泉は「約束する。殺されてもいい。自民党をぶっ潰す」と。

古市:度胸って後から身につくんですかね。

田原:この国を良くしたいと思って、ちゃんと命を張ってそれをやっていくことで身についていくんだよ。

※文中一部敬称略

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【プロフィール】
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学文学部卒業後、岩波映画製作所、東京12チャンネル(現・テレビ東京)を経て、1977年、フリージャーナリストに。『日本の政治 田中角栄・角栄以後』、『さらば総理 歴代宰相通信簿』など著書多数。

古市憲寿(ふるいち・のりとし)/1985年、東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員、日本大学藝術学部客員教授。著書に『絶望の国の幸福な若者たち』『保育園義務教育化』など、小説に『平成くん、さようなら』『ヒノマル』など。新著は『昭和100年』。

※週刊ポスト2025年1月17・24日号

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