今年も開幕週から100万円超馬券が3本も出るなど荒れ模様の中央競馬。穴馬券獲得のための戦略について、競馬ライターの東田和美氏が考察した。
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2024年に行なわれた平地3327レースのうち、単勝オッズ50倍以上の馬が3着以内に入って馬券対象になったのは1着100回2着197回3着341回。このうち3着以内に2頭以上の人気薄が絡んだレースがあり合計で614レース。およそ18.4%というのは昨年、一昨年より2ポイントほどプラスだが、大きな差ともいえないので、毎年だいたいこのぐらいなのだろう。単勝万馬券36回というのは、昨年の25回を上回ったが、一昨年とほぼ同数だ。
単勝50倍以上の馬が1場1日平均2レース以上で3着以内に飛び込んでくる――穴党を自負するならその傾向は把握しておきたいところ。人気馬にリーディング上位ジョッキーが乗ることが多くなり、的中するだけでは妙味がなくなっていることが多い昨今、「儲けたい」ならば人気薄の馬へのマークは必要だ。
競馬場別の回数で最も多いのは京都競馬場の144回だが、これは阪神競馬場が改装工事中で開催日数が多かったためで、出現率では競馬場による大きな差はなかった。
レースを午前中の4レース(A群とする)、午後前半4レース(5レースから8レース=B群とする)、特別レースが始まる9レース以降(C群)と3パターンに分けてみると、もっとも多いのは未勝利戦が多く力関係が明らかではないと思われるA群でおよそ39%、次が実力馬同士のC群で33%、新馬戦や1勝クラスが中心のB群28%と出た。ところがこれが新潟や小倉といったローカル開催では、C群がA群を上回っている。ローカルの特別競走を狙っていく実績馬に「隙」があるということかもしれない。
コース別ではダートが6割近く、距離別ではマイル以下で出現率が高く、芝・ダートとも2000m以上の距離では激走する人気薄馬は多くない。条件別でみると未勝利戦が4割近くで圧倒的に多く、新馬戦と合わせると半数近くになる。穴党なら「午前中の未勝利戦」で勝負したい。
牝馬限定レースがありながら性別では5.4:4.6で牡馬(騙馬を含む)が優勢。年齢別では3歳馬が他の世代を圧倒しているが、限定レースがあることを考えればこんなものだろうか。
月別で最も頻度が高いのが6月で、最も少ない10月に比べると倍以上。ダービーが終わって一区切り、3歳未勝利戦での生き残りが熾烈になる時期。そこまで上位に来ながら勝ちきれなかった馬が、デビューが遅れた素質馬にあっさりやられてしまうケースが増えるのかもしれない。天候・馬場状態が不安定になることも影響しているのだろう。