即戦力の時代
山田:やはりアナウンサーは“任される”と“伸びる”んですね。この文脈でいうと、『news every.』の月・火曜担当になった瀧口麻衣アナ(24)は先輩アナたちからも期待の声が多く上がっていますね。学生時代、なぎなたで国体優勝をしているんですが、アナウンサーが多く在籍する事務所に所属をしていたとも聞きました。
『ジャンクSPORTS』や『全力!脱力タイムズ』などバラエティからオリンピックまで、フジの若きエースの佐久間みなみアナ(27)も学生時代、事務所に所属していました。
馬場:つまり、即戦力が求められているということですよね。テレ朝さんのように入社早々から『ミュージックステーション』や帯番組のレギュラーに就かせて現場で鍛えるパターンも定着しつつありますね。
山田:テレ朝は入社直後に堂真理子アナが『Mステ』を担当して人気になってから、そのパターンが続いていますね。私は『羽鳥慎一モーニングショー』の松岡朱里アナ(23)に注目し続けています。羽鳥さんや玉川徹さんがZ世代として番組内で彼女に意見を求めたり、学生時代のレジ打ちバイトの経験を活かして、混雑時の行列回避法をパネル解説したりしていました。
馬場:たくましい! そうやって、帯番組で先輩たちに囲まれながら現場で経験を積んでいくというのは理想的なパターンだと思います。
山田:TBSでは、夏休みだった田村アナの代わりに『ラヴィット!』を担当した入社2年目の南後杏子アナ(23)の評判が良かったですね。TBSの場合、今でも大先輩の吉川美代子アナが研修をしているそうなんです。南後アナも同期の御手洗菜々アナ(23)も『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』でのニュース読みが落ち着いているので聞いていられます。でもやっぱり、この期も似ていませんね。
馬場:研修、大事ですね。局アナは社員なので他部署への異動もあるのですが、今はアナウンサーでも新たなキャリアを積むのがトレンドになりつつあります。
日テレの後輩で注目しているのは郡司恭子アナ(34)です。新規事業としてアパレルブランド『Audire(アウディーレ)』を立ち上げ“オシャレ番長”としてインスタグラムが注目されています。個人的には産後の徳島えりかアナ(36)にも期待しています。
山田:こうやって振り返ると、2025年の人気争いはもっと熾烈になるんじゃないかと思いますね。
馬場:アナウンサーは原稿を読むだけのAIではなく“人”です。先輩で元アナウンサーの藤井恒久さんが若手への研修で「アナウンサーに必要な力って何だと思う?」と問いかけて、「それは“魅力”だよ」と仰っているんです。これからはその“魅力”、強みをどう伸ばせるかがより問われると思います。
アナウンサー界も、アナウンス技術を極める「職人」と、キラキラしたSNS投稿も含めてマルチに活躍する「セルフプロデューサー」と、二極化していくかもしれませんね。
山田:私はこれからも魅力溢れるアナウンサーが出てくることを期待しています!
【プロフィール】
馬場典子(ばば・のりこ)/フリーアナウンサー。1974年生まれ、東京都出身。フリーアナウンサー。大阪芸術大学教授。1997年に日本テレビ入社。『ZIP!』、『キユーピー3分クッキング』などを担当し、2014年に退社。現在は、『あさイチ』(NHK)、『歌謡プレミアム』(BS日テレ)などに出演。
山田美保子(やまだ・みほこ)/放送作家。1957年生まれ、東京都出身。放送作家。コメンテーターとして『1周回って知らない話』(日テレ系)や『サンデージャポン』(TBS系)、『ドデスカ+』(メ~テレ)に出演。
※週刊ポスト2025年1月17・24日号
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