「琴櫻に勝ちたい」という意思を示した王鵬
やく氏が尊富士の足首について「怖いぐらい細く見えますよね」と発言したのに対し、杉山氏が「昔、土俵の鬼といわれた初代若乃花さんが、入門した弟子に“足を見せろ”と言った。その時に足首がキュッと細く締まっていると“よし”と言った。それが出世する力士だそうです」と応じる。するとやく氏は王鵬についてこう続けた。
「それで言えば(王鵬は)足首が太いんですよね。ただ、決して大きなことも言わないし、話題になることもあまりないんですが、2024年の富岡八幡宮の豆まきの後の直会で相撲の話をしたんです。
当時の王鵬は琴櫻に全く勝てなかった。聞いてみると“(琴櫻は)気持ち悪いぐらい全部吸収されちゃう”と言う。でも琴櫻に勝ちたいっていうかなり強い自分の意思を表明していた。それで、目下琴櫻に2連勝中なんですよね。確実に対処法を掴んだみたいです。九州場所も唯一琴櫻に土をつけましたしね。
実に静かだし、茫洋としているし、話題に上らないんですけど、これがもう一息番付を上げて、小結で10勝とかいう成績になると、急に世間の耳目の集中するところとなると思います。それまであんまり騒がないで見ていただきたいのが王鵬ですね」
そう密かに期待を寄せた。琴櫻は王鵬にとって埼玉栄の2学年先輩にあたるが、対戦に静かな闘志を燃やしていたわけだ。さらに、やく氏はこう付け加えた。
「組むとまだ全然だなと思うんですけど、突っ張りが出た時は別人。普段はおじいちゃん(大鵬)が出ているが、突っ張りが出てお父ちゃん(貴闘力)が出てきた時は強いんですよね」
“もうひとりの大横綱の孫”の躍進はなるか。優勝争いの先頭に立ち、周囲が騒がしくなっているが、この先も静かに見守りたい。