夫のドミニク被告に自身の体調を相談すると、「不倫でもしているんじゃないの?」と驚き、からかわれる始末。ジゼルさんは自身がアルツハイマー病なのではないかと不安を抱え、次第に車の運転や旅行を控えるようになった。
BBCによると、「ジゼルさんは体重が減り、髪の毛が束になって抜け、意識を頻繁に失うこと」により、「死期が近づいていると確信」すらしていたという。そんな辛い日々をどうにかやり過ごせたのは、自身に献身的に料理を振る舞う“最愛の夫”、ドミニク被告の姿があってこそだ。
その料理に“とんでもない化学物質”が含まれていたことを知ったのは、ドミニク被告がショッピングセンターで女性のスカートの中を盗撮したという、2020年9月に起きた別の事件がきっかけだった。その事件に関しては夫婦2人で話し合い、ジゼルさんは寛容にも許すという前向きな決意を固めた。
だが、警察がドミニク被告のパソコンを押収した数日後のある日、ジゼルさんは警察署に呼び出され、目を背けたくなる事件の全貌を伝えられることになる。それは、自分が記憶障害を疑っていたと思われる時間に、見知らぬ男たちがジゼルさんの部屋にやってきては、性的暴行を加えていくことを映した、膨大な動画と写真のアーカイブだった。
この事件で有罪判決を受けたのは夫を含めて51人にのぼるが、そのうちの半数以上は「眠らされているジゼルさんとの“セックスゲーム”に参加していると思った」と容疑を否認しているという。一体この男たちはどこから招き込まれたのか。