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中居正広とフジテレビから「火に油を注がないための心得」を学ぶ

記者会見を行ったフジテレビ(時事通信フォト)

フジテレビは改めて記者会見する(時事通信フォト)

 もはや不祥事の域を越えた大問題。コラムニストの石原壮一郎氏が考察した。

 * * *
 タレントの中居正広をめぐる一連の騒動は、日に日に大ごとに発展しています。これを書いている1月23日昼に、中居が芸能界を引退することを発表しました。トラブルに深く関係しているフジテレビに対しても、雪崩を打つ勢いでスポンサー離れが進んでいます。

『女性セブン』で女性との「重大トラブル」がスクープされたのは、2024年12月19日のこと。わずか1ヵ月ちょっとのあいだに、誰も想像できなかった事態になりました。23日午後にはフジテレビで、臨時の取締役会と全社員に向けた説明会が行なわれるとか。その中身は現時点ではわかりませんが、まだまだ混乱は続きそうです。

 どんなトラブルがあったかについては、当事者同士の問題であり、外野が詮索するのは控えたいところ。中居正広やフジテレビの未来を心配する立場でもないし、ましてここぞとばかりに威勢のいい言葉をぶつけるのは、あまりにも残念すぎる行為です。

 話は変わって一般論ですが、人は誰しも失敗なしでは生きられません。仕事やプライベートで失態を犯すこともあれば、配慮の足りない発言で誰かを傷つけることもあります。そんなときに気を付けたいのが、対処を間違えて火に油を注がないこと。小さなミスでも、うっかり火に油を注ぐと取り返しのつかないことになりかねません。

「自分に都合のいい解釈や展望」を自分で言ってしまうのは危険

 一連の騒動は、私たちに「火に油を注ぐ」とはどういうことか、それがいかに恐ろしい事態を招くかをまざまざと見せつけてくれています。備えあれば患いなし。渦中の人たちの“失敗”から「火に油を注がないための心得」を学び取ってみましょう。

 最初に火に油を注いだのは、1月9日に中居が自分の事務所のHP上に発表した「お詫び」と題した声明でした。そこに〈なお、示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました〉という一文があったことで、多くの批判を受けることになります。

 いささか不自然な文面と口調であり、どういう意図でわざわざ入れたのか、いろんな人がいろんな解釈を試みました。今となっては、その真相はわかりません。はっきりしているのは、この一文には火の勢いを一気に大きくするパワーがあったということ。

 おそらく「聞かれてもいないのに、自分に都合のいい解釈や展望を言ってしまった」という点が、強力な「油」になったと考えられます。言ってみれば、エッチなお店に行ったことが妻にバレた夫が「お店の会員証は捨てたし、きちんと謝ってお詫びに高いバッグも買ってあげたから、今後の夫婦関係も支障なく続けられるよね」と言っているようなもの。

 これではどう考えても、妻の怒りを増幅させてしまうでしょう。「支障なく続けられる」かどうかを決めるのは、怒られている夫ではなく怒っている妻です。夫としては反省している様子をわかりやすく示して、妻が「そろそろ許してやるか」という気持ちになってくれるのを祈るしかありません。夫は一刻も早く「もう大丈夫だよね」と確認したいかもしれませんが、その誘惑に負けてしまうと見事に火に油を注いでしまいます。

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