『踊る大捜査線』シリーズ制作などで知られる亀山千広氏は、2013~2017年フジテレビ代表取締役社長をつとめ、現在は株式会社BSフジ代表取締役社長(時事通信フォト)

『踊る大捜査線』シリーズ制作などで知られる亀山千広氏は、2013~2017年フジテレビ代表取締役社長をつとめ、現在は株式会社BSフジ代表取締役社長(時事通信フォト)

「放送免許を持っている限り絶対的地位にありますからね。新規参入なんて無理だし情報を統制したい政府が許さない。キー局もライバルなんか増やしたくない」

 国の放送免許(VHF局)はそれこそ戦後まもなくから、公共放送枠のNHKを除くキー局と呼ばれる民間放送5局(日本テレビ・TBSテレビ・フジテレビジョン・テレビ朝日・テレビ東京)の独占状態にある。これは古くから「放送利権」だと批判されてきた。それこそ昔のドラマやアニメの制作サイドや原作サイドなどはテレビ局に絶対服従を強いられた。発表先が無いわけだから仕方がなかった。

 1980年代に入るとビデオデッキの普及とレンタルビデオ店の興隆によって実写ドラマ(Vシネマ)、アニメ(OVA)といったオリジナルビデオが作られるが、自己資金や出資によってテレビ局の支配の外で作るという(結局は取り込まれたが)姿勢は現在のネトフリやアマプラなどのビデオ・オン・デマンド(VOD)の端緒であったと思う。筆者も観る側だった10代はもちろん、仕事として関係する側となってもOVAに夢を見た。既存のテレビ放送にはできない作品を、まさにVODの姿勢である。

「アメリカは以前からケーブルテレビ文化が長かったからすんなり受け入れられました。でも日本で娯楽の王様は長らくテレビでした。『作品がテレビで放送してないなんて』とか『テレビに出てないなんて』とまず言われる。いまも世代によってはそうでしょう。放送利権を支えてきたのは娯楽に権威を求める視聴者も加担していたんですよ」

 あくまでプロデューサー個人の意見だが、そうした流れがついに崩れつつある。それもフジテレビの長年の露悪的な「ノリ」と「ネタ」化によって。それもコンテンツではなくリアルでもそうした「楽しくなけりゃ」(楽しいのは自分たちだけだった!)で問題を引き起こし続けた。一過性の問題でなくそれこそずっと、そうだった。

ほとぼりが冷めれば普通に営業できる

 フジテレビではないが40年以上キー局に勤めてきた70代の元プロデューサーは語る。

「昨日今日起きた問題でないことは明白だ。港さん(港浩一、フジテレビ社長)も中居問題に限らずフジの現場にいたはずだから知っていたはずだ。それこそ亀山さん(亀山千広、元フジテレビ社長、現BSフジ社長)や日枝さん(日枝久、元フジテレビ社長、現フジサンケイグループ代表)が説明すべきだ。彼らは実際に中居問題含めて現場だったり責任者としてフジテレビにいたりしたわけだからね」

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