立ち合いの「重さ」が必要
九州場所で準優勝した豊昇龍は9日目で3敗を喫した。星勘定は満足のいくものではないはずだが、八角理事長は「負けたけどいい相撲を取っていますよ」と評価した。
「土俵を見ていると、ただ勝っているというんじゃなくて、強いなという感じがするじゃないですか。そういう相撲を取っていれば、いつか(横綱に)上がれますよ」
実際、この取材後に白星を重ねて横綱昇進を果たしたわけだが、豊昇龍の課題についてはこう指摘していた。
「もっと立ち合いの重さが必要だよね。頭からいくのと同じ出足があれば、千代の富士さんのように胸から当たっても強い相撲は取れる。今の豊昇龍は頭からいってるじゃない。それは重さがないから。出足があれば胸からいけるようになり、もっと相撲に余裕が出ます」
取材時点で豊昇龍の昇進については場所が終わってからの話であり審判部の考え次第としながらも、“優勝すれば昇進という話ではない?”という質問には「そりゃそうでしょう」と即答した。
「優勝ラインが下がっての優勝もあるし、たまたま勝ったとか、不戦勝があったとかもある。本来は横綱の照ノ富士を倒して上がってきてほしかった。そういう意味では、照ノ富士には最後まで相撲を取り続けてほしかったね」
星勘定はもちろんのこと、相撲内容も問われるのが「横綱」だ。来場所以降、琴櫻、大の里、そして豊昇龍は、期待に応える活躍を見せられるか。
※週刊ポスト2025年2月7日号