『笑点』を卒業したら、「おかみさんに孝行をしたい」をしたいと語っていた(撮影/岩松喜平)
──ハワイ旅行のどんなところに「おかみさん孝行」が含まれていたのでしょうか。
「おかみさんに支度させないってところですかね。旅行先で外食するってことは、何日かはおかみさんが食事を作ったりしなくて済みますもんね。家事や掃除なんかはホテルがやってくれますから、それがとっても孝行じゃないかって思います」
──なるほど。「おかみさん孝行」には、そういった意味があったんですね。まもなく『笑点』を離れてから1年となりますが、木久扇さんは当時、“司会”の席をうらやましく思ったことはありましたか。
「昔、(桂)歌丸さんの代わりで5回くらい司会をやったことはあるんですけど、面倒というか、司会は自分を抑えて人を目立たせなくちゃいけない。だから面白いことを思いついても、こっちは言えないんです。向こうを食っちゃいけないから。
時代も違いますけど、昇太さんはあんまり緊張してないみたい。司会は大きい責任があるんですけど、それを軽く片づけていく昇太さんのやり方もいいですね」
──『笑点』もここ最近は、桂宮治さん、春風亭一之輔さんら新メンバーが加わり、木久扇さんの後任として立川晴の輔さんが選ばれました。弟子で息子の木久蔵さんに黄色い着物を着て、同じ座布団に座ってほしいという思いはありましたか。
「当時は随分予測されましたけど、自分のせがれに継がせたい、なんてお願いはしてないんですよね。まあテレビですから、そういうものじゃないしね。
でもああいう与太郎(間抜けな役)をやらしたら、うちの子どもはうまいんですよね。だから選ばなかった番組はずいぶん損したぞって思ってるんですけどね(笑)」