20年以上にもわたり、実際とは異なる飼育数を国に報告していたサンシャイン水族館。「元館長らは譲渡した、本当はまだ生きているカメを年単位で少しずつ死んだことにして、水族館の評判を下げないように飼育数の帳尻を合わせていた」(同前)という。
「2003年以降、サンシャイン水族館が不正に得たカメの管理費用は190万円ほどに上ります。元館長らは『他の動物の飼育費に充てた』などと供述し、容疑を認めています」(同前)
甲羅に星のような文様があるように見えることからその名前が付いたこのカメ。国内での流通には厳しいルールがあるが、インターネット上で違法に売買されることもあり、「安い個体で20万円程度、メスでは50万円を超える個体もある」(都内のペットショップ関係者)という。
そして、このカメの譲渡先として名前が上がったのが、前出の水納島でダイビングショップを営む夫婦だった。
「逮捕された夫婦は、ともに50代で島でダイビングショップを営んでいました。実はこの夫妻の妻のほうが、サンシャイン水族館の元職員でした。かつての勤務先の顔なじみの職員を通じて2003年にカメ10匹を譲り受けたことが事件の発端となったのです」(前出の記者)
渦中のビルマホシガメは、ミャンマーや中国などに生息しており、その美しい文様から乱獲が相次ぎ、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定された。2000年以降には、野生下では絶滅したとされる。
夫婦はどんな目的でこの希少ガメを“囲って”いたのだろうか。