初土俵直前の豊昇龍(2017年11月/撮影=作田祥一)

初土俵直前の豊昇龍(2017年11月/撮影=作田祥一)

「週刊ポスト」記者は豊昇龍が初土俵を踏む直前の2017年11月、九州場所の立浪部屋宿舎で稽古まわし姿を見ている。現在は148kgあるが、当時はまだ107kg。プロの激しい稽古に参加できず土俵の外の板壁に背をくっつけて立っている、角界で“かまぼこ”と呼ばれる状態だったが、ちゃんこ場では先輩の明生らへの給仕係を黙々とこなしていた。

「豊昇龍が叔父の影響を受けているのは間違いなく、気合が入った一番では朝青龍が塩を取りにいく時に見せたまわしを叩く気合入れパフォーマンスを真似たりするが、一方で振る舞いは叔父の現役時代を反面教師にしているところもある。外出先で酒を飲まないというのもそのひとつでしょう」(ベテラン記者)

 初土俵から11場所で十両に昇進し、2023年7月場所では初優勝を果たして大関に昇進する。

 昇進後の本誌インタビューで朝青龍が大関を3場所で通過したことを聞くと「みんなすぐに叔父さんと比べるけど、正直嬉しくはないよね」として、こう続けた。

「オレはオレだし、叔父さんはすごい人。比べられる立場にないからね。過去、大関になったのは254人いるが、さらに上の横綱へ昇進できたのは73人だけ。そんな横綱で叔父さんは25回も優勝している。自分と比べるのはまだまだ早いよ。

 ただ、叔父さんからは“次は横綱だな”とプレッシャーをかけられているけどね(苦笑)」

「恩返しができたかな」

 その心中は複雑だったのかもしれない。出世街道を歩むなかで、朝青龍と距離を置く時期もあったのだという。

「もともと朝青龍からトレーニングについてアドバイスを受けていたが、筋トレを重視する豊昇龍との意見の食い違いなどちょっとした考え方の不一致で連絡を取らずに疎遠になった時期があったそうです。初場所で豊昇龍と優勝を争ったカザフスタン出身の金峰山は朝青龍が来日を手引きしましたが、場所中に朝青龍は金峰山のほうに激励の電話を入れていました」(前出・ベテラン記者)

 叔父との関係性も様々な変遷を辿った。それでも、伝達式後の会見では報告の電話を入れたことを明かし、「自分を入門させてくれて、恩返しできたかな」と述べている。

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