横山英幸・大阪市長(時事通信フォト)
パチンコをしない喫煙者にとってわざわざ入るのは煩わしいはずだが、一応、誰でも利用可能ではある。さらに問題なのは、“入れない指定喫煙所”が存在することだ。
東成区のある指定喫煙所は、月~金曜の10~18時に使用できると市のHPに記載があるが、条例がスタートした1月27日に訪れるとドアが施錠されて部屋の中は真っ暗。入り口にはスマホからメールアドレスを登録して解錠する手順が貼り出されているものの、その通りにやっても途中でエラーが表示されてしまう。
市の補助を受けながら使用できない状態であれば、不正受給の疑念さえ浮上する。前出の市の担当者に問うとこう答えた。
「利用時間内に使えないといった苦情が入れば、申請者には声をかけます。(民間の指定喫煙所は)整備に上限1000万円の補助金が出る。鍵がかかって使えないのは問題。すぐ調査して注意します」
整備したとアピールする喫煙所のチェックが後回しになっていることを窺わせる事例だ。市は条例施行後の実態は今後、検証するとしたが、2月市議会で令和7年度予算を確保しなければ、速やかな追加整備は難しい。
「予算の話はできないが、まずは検証。喫煙所がもっと必要という結論が出れば、整備を進める。周知広報が必要ならそれをやる。喫煙所を増やすことありきではなく、路上喫煙をなくす対策を考えることになる」(同前)
横山市長は会見で「喫煙者と非喫煙者が共存できる環境整備に取り組む」としたが、その言葉通りになるのか、注視する必要がありそうだ。
※週刊ポスト2025年2月14・21日号