2月7日、同レーベルの元従業員ら20名がイギリスのテレビ局・BBCの取材に応じ、1990年代に音楽業界内で目撃した不穏な出来事を明かした。
「当時、ニューヨークにある『バッド・ボーイ・レコード』のレコーディングスタジオ『ダディーズ・ハウス』のスタジオマネージャーを務めていたフェリシア・ニューサムさんは、『業界全体に不祥事が蔓延していた』と語っています。
『バッド・ボーイ』のアーティストや従業員は、スタジオで性的なパーティーを開くために、わざわざ女性を飛行機で呼び寄せるよう頼むこともあったといいます。また、その飛行機代は経費計上されていたとのことです」(現地ジャーナリスト)
スタジオ『ダディーズ・ハウス』は、一連の事件において暴行の現場とされているうちの一つだ。元モデルのクリスタル・マッキニーさんは2003年当時、スタジオ内でアルコールとマリファナを接種させられたうえで性的暴行を受けたとの訴えを起こしている。また、当時17歳だった別の女性は、コムズ被告と2人の仲間に集団で暴行を受けたと主張している。
ドキュメンタリー番組組『The Fall of Diddy』の中でタリアさんは次のように語る。
〈声を上げることで、ある程度は解放された気持ちになります。けれど、もし記憶を消せるなら、あのトラウマを二度と味わうことのないよう、ためらうことなくそうするでしょう〉(タリアさんの証言)
被害者が受けた心の傷は、完全に癒えることはない。その勇気ある告発に、アメリカのエンタメ界はどう応えるのだろうか。