瑠奈被告が飲んでいた目玉テキーラ(客提供)
明かされた「夫婦のLINE」
そして瑠奈被告と被害者が再会した日、事件が起きた。2人は午後10時半に会う約束をしていた。浩子被告は瑠奈被告と修被告を見送ったあと寝床に入るも、被害者と再会したのか気になり寝られなかった。
検察官「再会時間がわかっていたのに、来たか確認してないのですか」
浩子被告「してないです」
検察官「修被告から『被害者が来た』とか連絡は?」
浩子被告「なかったと思います」
検察官「気になって寝れないならなぜしない?」
浩子被告「日ごろ、修さんに外出を任せたら、自分の時間だと切り替えてたので」
検察官「じゃあ日ごろから確認はしない」
浩子被告「はい」
そこで浩子被告と修被告のLINEのやりとりが明かされる。事件数日前に瑠奈被告がまた別の男性とSMプレイをすると修被告の前から出かけたときの話だ(文言は要旨として)。
23:22 修被告→浩子被告「瑠奈が〇〇へ行っている」
00:34 修被告→浩子被告「今クラブです。30分で出てきたら御の字です」
時刻不明 修被告→浩子被告「案の定まだ来ていません」
03:41 浩子被告→修被告「その後、いかがですか?」
検察官「問い合わせしてるじゃないですか」
浩子被告「翌日の仕事があるから、修さんを心配して」
検察官は連絡しない不自然さを連続して聞く。「元々意に反する相手と会うのに?」「暴力団を装ってまで会わせたくないと思ったのに?」「不安で寝れなかったのに?」「修被告から会わない約束と聞いたのに?」。
犯行計画を知っていたからではないか、と問うためだ。弁護人が「質問が重複している」と異議を出し、怒涛の質問は止まった。
浩子被告に次々と質問を投げかける検察側。しかしこの後、弁護側は検察側の質問に対し、怒涛の反撃に出るのだった——後編記事では、指摘された検察側の「書類の不備」、それに乗じた浩子被告の「態度の急変」について詳報する。
(後編につづく)
取材・文/普通(ライター)