アメリカでは大谷も関わっていたと根拠もない陰謀論が騒ぎを立てた(写真/AFLO)
《ミズハラはオオタニから口止め料をもらっている》、《真の友とは、かばう者なのだ》──。大谷翔平(30才)の銀行口座から約26億円を盗み、銀行詐欺罪などに問われていた元通訳・水原一平被告(40才)に対し、カリフォルニア州の連邦地裁は禁錮4年9か月、賠償金約28億円などの量刑を言い渡した。すると判決が下った2月上旬以降、冒頭のような英文の書き込みがSNS上に相次いだ。
「昨年3月に事件が発覚した際、“大谷も賭博に関与しており、水原が身代わりになった”との臆測が広がりました。捜査が進むにつれて収束しましたが、今回の判決を受けて、アメリカ国内で再燃しているんです。日本では大々的に報じられることはありませんが、『多くの人々は元通訳が大谷の身代わりになったとみなしている』というタイトルで特集した現地メディアもありました」(在米ジャーナリスト)
そもそも水原被告の量刑は最長で禁錮33年とされていた。
「アメリカでは、被告が容疑を認めたり、検察の捜査に協力するなどで、量刑が軽減される『司法取引』という制度があります。水原被告もその制度が適用されたそうですが、それでも禁錮8〜12年が相場との見方が大半でした。
ですが、ふたを開けてみれば、さらに大幅に減刑された。あまりにも短い刑期に違和感を覚えた一部の人が、“やっぱり大谷もかかわっていたのでは”などと騒ぎ立てたようです。何の根拠もない陰謀論といえます」(前出・在米ジャーナリスト)
アメリカ国内で「大谷関与」がいまだくすぶる背景には、大谷への偏見がある。
禁錮4年9か月、賠償金約28億円などの量刑を言い渡された水原被告(時事通信フォト)