かつては同じ少年野球チームに所属していた田中将大(左)と坂本勇人(時事通信フォト)
セ・リーグ連覇と日本一奪還を目指す阿部巨人。その目標を達成するためには、“2人の復活”がキーとなるだろう。打棒復活を期すプロ19年目の坂本勇人(36)と楽天を自由契約となって巨人に移籍した元メジャーリーガーの田中将大(36)だ。巨人番記者が語る。
「坂本は昨季、サードにコンバートされてゴールデン・グラブ賞を獲得したものの、打撃では規定打席に届かず打率.238、7本塁打、34打点と低迷。ケガ以外では初の二軍落ちも経験しています。今のところはレフトを守る予定の岡本和真(28)がサードを守る可能性もある。今年も打撃不振が続けば、坂本のレギュラー落ちは十分あり得ます。
一方の田中も昨シーズンの登板は1試合のみ。メジャーから日本球界に復帰して4年間で20勝という成績に終わっています。今キャンプでは、久保康生巡回投手コーチと二人三脚でフォーム改造に取り組んでいますが、昨シーズンに15勝3敗という成績を残してポスティングでメジャー移籍した菅野智之(35)の穴をどこまで埋めることができるか。1年契約なので、こちらも“崖っぷち”となります。
窮地にある2人ですが、本来のパフォーマンスを取り戻せれば、チームを優勝へ導く原動力となるはず。阿部慎之助監督も復調を期待していることでしょう」
巨人の命運を握る2人は、兵庫・伊丹市の昆陽里小の同級生。昆陽里小の児童による少年野球チーム「昆陽里タイガース」でバッテリーを組んでいたこともファンの間ではよく知られている。
「プロで同じチームのユニフォームを着るとはね……。不思議な縁を感じます」
そう語るのは、当時監督だった山崎三孝さん(現理事長)だ。かつての2人は山崎さんの目にはどのように映っていたのだろうか。
「やんちゃで目立ちたがりやの坂本君は運動神経もよく機敏。将来、プロに行くんじゃないかと思っていました。ただ、田中君に関して言えばちょっと動作が鈍かったですね。マイペースな努力型でした」(山崎氏、以下同)