ドラマ『最後から二番目の恋』で共演した中井貴一と小泉今日子
『FNS歌謡祭』や『27時間テレビ』の制作が極めて難しい状況にあるとされているフジテレビ。その波はドラマにも押し寄せている。4月以降の作品は果たして予定通り放送されるのか。汗と涙の撮影現場の実況中継。
鎌倉駅西口から300mほど続く御成通り。駅東口の小町通りが多くの観光客で賑わうのと対照的に、地元の人々が普段使いする落ちついたエリアである。2月上旬、「裏かま」と呼ばれるこの御成通りで、道行く人の視線を集めていたのが、中井貴一(63才)だ。
「今年の4月に、フジテレビの月9枠で放送される予定のドラマ『最後から二番目の恋』の撮影に臨んでいたようです。この作品は、2012年、2014年に放送された人気ドラマシリーズの続編で、鎌倉を舞台に公務員役の中井さんとテレビ局プロデューサー役の小泉今日子さん(59才)の恋愛を描くラブコメディーです。
都内での生活に疲れた、酸いも甘いも経験してきた大人たちの恋愛をユーモアたっぷりに描き、2014年は平均視聴率12.9%を記録。熱狂的なファンが多く、11年ぶりの続編放送の情報が流れると、SNSが沸きました」(芸能関係者)
しかし、ロケ現場の雰囲気はどこか暗い。なぜなら「あの問題」の余波が鎌倉にまで及んでいたからだ。
「いま、ロケ先で使いたい場所に『フジテレビ系ドラマなんですが……』と声をかけると、『フジテレビで流れるんですか? だったら貸せませんよ』と断られることがあるんです。
『最後から~』の人気のひとつは、個性あふれる大人たちの日常が鎌倉で繰り広げられるから。なので、鎌倉市役所を含めた街全体の協力なしには成立しません。騒動のおかげで放送が延期されるかもしれないと心配までされましたが、最悪の事態はくぐり抜けることができたようで……現在は無事に撮影が進み、なんとか予定通り、4月クールで放送できそうです」(ドラマ関係者)
多大な影響を受けているのはもちろんこのドラマだけではない。中居正広氏(52才)の女性トラブルをきっかけに勃発したフジテレビ問題。フジ経営陣の不誠実な対応が火に油を注ぎ、スポンサー離れによる損害額は数百億円規模になると報じられた。激震は制作現場に及び、現在放送中の月9ドラマ『119エマージェンシーコール』のエンドロールからは、撮影を全面的にバックアップする「横浜市会」と「横浜市消防局」のクレジットが消滅した。
「双方とも今後も撮影協力を続ける方針のようですが、現場は気が気じゃないでしょう。これからドラマ制作の現場ではフジテレビという名がつくと、とにかくやりづらくなるので、フジで放送されるにもかかわらず、ほかのキー局の関連会社が代わりにドラマを制作するという“ステルス作戦”まで計画されているそうです」(テレビ局関係者)