新メンバーが加わり新体制となるtimelesz(寺西拓人は上段左から2番目/インスタグラムより)
話題を集めた新メンバーオーディション「timelesz project」。STARTO ENTERTAINMENT所属でオーディションに挑戦した寺西拓人、原嘉孝、一般候補生の橋本将生、猪俣周杜、篠塚大輝の5人が合格し幕を閉じた。放送作家の山田美保子さんが“タイプロ”の熱狂ぶり、旧ジャニーズ事務所時代の活動から知る寺西について綴る。
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先週末、ニュースや情報番組が「社会現象」として報じたのが“タイプロ”こと「timelesz project」の終幕と新メンバー発表だった。
佐藤勝利、菊池風磨、松島聡の「timelesz」(旧Sexy Zone)による“仲間探し”なるコンセプトでの10カ月にも及んだ過酷な新人オーディションの模様はNetflixで全世界に配信され、「これまで男性アイドルにハマったことは一度もなかった」というアラフォー、アラフィフ女性らに「推しを見つけた」「沼った」などと言わしめた。
17日放送の『Nスタ』(TBS系)で扱うニュース項目の筆頭は、なんと“タイプロ”で、番組中、2度も長尺で扱っていた。
同日、ホラン千秋の代打でMC席に座っていた良原安美アナも沼った一人だといい、16日の『サンデージャポン』でも披露していた「(感動で泣きすぎて)ティッシュの山ができた」ことを再度吐露。アイドル通で“松島推し”だという熊崎風斗アナの分析「突然新メンバーを発表されてもファンは納得しなかったはず。そういう意味でも公開して良かった。参加メンバーの魅力がどんどん増してくるのは勿論、既存メンバーの知らなかった一面も観られて最高」なる文言は、トリキリになっていた。
ファンの多くは最初に組まれたメンバーをこよなく愛し、応援するものだ。Sexy Zoneなら脱退したマリウス葉、中島健人を含む「5人」がデビュー時のメンバー。途中、3人体制や、松島やマリウスをセンターにした弟ユニットが誕生するなど、近年でももっともファンをやきもきさせたグループだったと思う。
だからtimeleszとなった3人が新メンバーをオーディションで募ることを発表した際、ファンの多くはすぐには受け入れられず猛反対したものである。
そうしたファンの想いは、先ごろ発表された“ジュニア再編成”にもぶつけられ、いまも納得できていないファンは少なくないようだ。
過去にもあった“オーディション”
とは言え、あのSnow Manでさえ、CDデビュー時にメンバーが3人増えている。もっと遡れば、前身グループはMis Snow Manだったし、中島と菊池、さらにSixTONESになった松村北斗と高地優吾は古くはB.I Shadowというユニットのメンバーだった。
事務所の長い歴史の中で、メンバーの入れ替えや人数の増減は幾度となく行われてきたのである。
その高地は『スクール革命!』(日本テレビ系)の「3年J組!新入生オーディション」が事務所入りのきっかけだったし、古くは、岡田准一が『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(同)の「ジャニーズ予備校」オーディションから事務所入りし、史上最短でのCDデビューを果たしている。“公開オーディション”も「あった」のだ。
とは言え、繰り返しになるが、都度、ファンの想いは千々に乱れたものだ。
そんな中、timeleszの新メンバーで最年長の寺西拓人がInstagramを更新。応援してくれたファンや支えてくれたスタッフらへの感謝を綴った後、「これまで『Sexy Zone』や『timelesz』のことを応援してくださっている方の中には、新体制の『timelesz』を受け入れることができない方もいるかと思います。当然です」とし、「僕たちにできることは、新メンバーを信じて迎えるという決断をしてくれた3人やチームの皆様に恥じぬよう、新しい形となった『timelesz』を死ぬ気で『正解』にしていくことだと思います」と決意したことが多くのネットニュースに上がっている。
2008年、旧ジャニーズ事務所に入所し、先輩や同期に近いグループのバックダンサーを務めたり、いわゆる“舞台班”の一人として堂本光一主演の『SHOCK』シリーズや、ブロードウェイミュージカルなどに出演したりしてきて多くのグループを外から見てきた寺西ならではのコメントだと思った。ちなみに寺西は「劇団☆新感線」のような“他流試合”も経験してきたし、主演も務めてきた実力派だ。
筆者が寺西を見つけたのは2013年10月期の連続ドラマ『49』(日本テレビ系)。他のジュニアとは雰囲気が異なり、韓流スターのようなルックスに目を惹かれた。その後なかなか映像の仕事に縁はなかったが、2019年7月期、『ボイス 110緊急指令室』(同)で手塚とおるの青年期を演じ、本当に一瞬しか映らなかった寺西も確認している。