エキサイトした弁護人の熱弁
修被告は、瑠奈被告がAさんの頭部を損壊する様子をカメラで撮影した。検察側がこの行為を「死体損壊ほう助に当たる」と捉える一方で、弁護人は、「私は(ほう助は)成立しえないと確信している!」と熱弁した。
弁護人「『被告人が撮影することで損壊がやりやすくなった』という瑠奈の調書がもしあれば、検察官は、瑠奈を証人請求するはずです。なのに瑠奈は裁判に出廷していない。証拠として供述が取れてないからです。わからないと推認で決着つけていいんですか!
瑠奈が殺害シーンを撮影したのはなぜか、そこがわからないわけです。頭部の皮を剥ぐ行為などは、撮影しないまま、ひとりで行っている。撮影に重要性を見出していたかどうかが怪しい。撮影で損壊が容易になるというのは到底認定しえないんじゃないですかと!」
最終意見陳述では、黒いスーツ姿の修被告が、時折涙で声をつまらせながら後悔の言葉を口にした。
修被告「はじめに、この事件でお亡くなりになった被害者、ご遺族、関係者、多くの方々に一生消えることのない、取り返しのつかない苦しみを与えたこと、大変申し訳ありません。
娘が世間を大きく騒がせる事件を起こし、すぐに警察に通報せず……(声が詰まる)そのままの生活を続け、損壊というさらなる事態を招いたこと、親としての責任を感じています。悔やんでも悔やんでも、悔やみきれません」
これからは“親としての責任”を果たすという。
修被告「事件からそれまでの期間を通して、感じたこと、学んだこと、しっかりと胸に刻み、生涯、親としての責任を果たしていきたいと思っています。発言の機会を与えていただきありがとうございました」
検察側は懲役10年を求刑しており、全面無罪を主張する弁護側と真っ向から対立している。判決は3月12日に言い渡される予定だ。
◆取材/高橋ユキ(ジャーナリスト)