佳代さん一家の家族写真(小室家提供)
《経験がおありの方》
本書では圭さんと雅子さまとの連関まで匂い立つ。圭さんは、国際基督教大学卒業後の2014年に、三菱東京UFJ銀行(当時)に就職した。
《ありがたいことに英語力を買われて、外資系法人のお客様担当になりました》
就職当初の順風満帆な様子とは裏腹に、圭さんはわずか2年ほどで銀行を退職することになる。
《インター(編集部註:インターナショナルスクール)で多感な時期を過ごし、大学でも留学期間があるなど、思春期以降この国の環境であまり過ごしてこなかった圭にとって、日本の銀行はある意味「異文化」だった(中略)上下関係を重んじる、つがれたお酒は飲まないといけない、新人はお酌をして回る……。そのような事柄について、圭の場合は目的意識を持つことができなかった》
退職理由を、佳代さんはそう記した。
「幼少から海外生活が長かった雅子さまが、皇室入りされた当時いちばん戸惑われたのが、宮中祭祀に代表される“神事”だったといわれています。皇室特有の伝統やしきたりが、目に見えない負担となっていた。その構図は、圭さんが旧態依然とした風土の銀行になじめず退職したのと同様だと捉えているのでしょうか」(前出・皇室記者)
さらに本書には、雅子さまを強烈に意識した「決定的な一言」が登場する。前述したように、圭さんと眞子さんの結婚は延期された。背景に佳代さんと元婚約者・A氏の間で起きた金銭トラブルがあったことは自明だろう。
《メディアでは相変わらず、「ふさわしくない」と私は言われ続け、やがてそれは「人格否定」の域に達します。その辛さは、経験がおありの方にはご理解いただけることと思います》
「『人格否定』という言葉で思い出されるのは、天皇陛下の会見での『人格否定発言』以外にありません」(前出・皇室記者)
2004年、海外訪問を控えての会見で、陛下は「それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です」と吐露された。これに、宮内庁はもちろん、日本中が上を下への大騒ぎになった。
「わざわざ《経験がおありの方》と、雅子さまを示唆したうえで、自分と雅子さまがさも同じ苦しみを味わったかのような書きぶりには、開いた口がふさがりません」(前出・皇室記者)