瑠奈被告が飲んでいた目玉テキーラ(客提供)
次々に矛盾点を指摘する検察
論告ではまず、「修被告がいつから瑠奈被告の計画を知っていたか」について、検察官は「おそくとも、6月18日ごろには計画を知っていたのは明らか」と主張した。6月18日は、瑠奈被告とAさんがクラブで再会し、事件が発生した7月1日に再び会う約束を取り付けた日付だ。
「瑠奈被告は被害者の服を脱がせてアイマスクを装着し、後ろ手で拘束したうえ、ナイフで頸部を繰り返し突き刺し殺害していることからも、SMプレイを装い殺害する計画であり、物品の準備から実行まで被告人の関与が不可欠だったと主張しています。
殺害と死体損壊に使用するノコギリなどの刃物はすべて修被告が購入しており、また『スーツケース 耐荷重 100kg』『ハイターで指紋消せる』などの検索履歴からも、計画を知っていたことは明らかだと説明しました」
そのほか、検察官は次々と矛盾点を指摘したという。
「両親の協力なしでは、ススキノの繁華街で被害者を捜索・発見し、次に会う約束を取り付けるのは不可能だったこと。殺害後にAさんの遺体を入れたスーツケースをホテルから運び出すには、ひとりで車の運転も公共交通機関の利用もできない瑠奈被告には不可能だったこと。
また、田村家でたびたび使われていた『ディスカッション』や『デモンストレーション』という言葉に関しては、殺害計画を確実に実行するために欠かせない事前準備を指した言葉であることなどの点が取り上げられ、修被告が計画を知っていたのは明らかとしました」