事件を受けて青森県と八戸市保健所は、医療法に基づく病院への立ち入り検査を行った(時事通信フォト)
「入社したてのあるとき、私は玄関先の掃き掃除をしていて、ゴミを塵取りでとるためにかがんで作業していたんです。そのとき院長が私の後ろを通ったようなんですが、気付かなかったので挨拶をしなかった。そうしたら『ちゃんと挨拶しろ!』と睨まれて、私はその場ですぐに謝りました。
その後、院長がベテランの男性スタッフにそのことを告げ口したらしいんです。その上司から『自分の思うとおりにならないとなんでも気が済まないお坊ちゃんだから、ちゃんと謝った方がいい』と言われて、あらためて謝罪をすることになりました」
こうした“王様エピソード”はほかにもある。
「ある日突然、私の同僚でベテランの女性スタッフが院長から『エレベーターの溝が汚れてるだろ!』と怒鳴りつけられたらしいです。院内はいつも本当に綺麗で掃除が行き届いていたのに、そんな重箱の隅をつつくようなことで長年病院に奉仕した方を理不尽に怒鳴るなんて…と怒りを覚えました。 彼女は、この一件のあと私に『もう辞める、明日から来ない』とだけ残し、それきり仕事に来なくなりました」
従業員に対して傲慢な態度をみせる石山元院長に対し、怒りを覚えることが多々あったというAさん。さらに「暮らしぶりも贅沢でした」と続けた。
「院長の家は立派な豪邸で、植物がたくさん置いてある温室があり、そこにはバナナの木なども植えてあるそうです。私が働いていたとき、当時50代ぐらいの女性スタッフが院長の“お付き”のような仕事をされていて、その植物などを管理する仕事を彼女がやっていました。
それ以上は彼女の仕事を深く聞いたことはなかったので一体、普段どういうお仕事をされているのか不思議だったのですが、職員の間では『院長はなんで〇〇さんを家政婦みたいに使うんだろうね』とそういう話になっていましたね」
事件を受けて青森県と八戸市は2月19日、同病院に対して立ち入り検査を実施。今後は医療法違反の疑いも含めて調べを進めていくという。“独裁状態”だった院内で一体なにが行われていたのだろうか──。
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