2004年に行われた『下妻物語』の舞台挨拶
「下妻物語」の影響もあり僕もロリータ界ではレジェンド的な扱いを受けますが、一方で若い人達から「嶽本野ばらの精神的ロリータはウザい」と非難されたりします。だからもう現役でないのを心得ておかねばならない。だって数年前、「あの人は今?」的な番組のオファーがきたくらいですし……。
薬物で二度も逮捕され、カード破産もした。終わった人と世間に認識されたのは仕方ないことです。脱法ハーブで検挙された時は自分でも終わってると思いましたもの。
錯乱して真夜中、手のひらをライターで10分くらい焼き続け、大火傷をした後も怪しげなハーブに手を出し続けたし、カードの返済金を工面出来た直後、少しでも金運をあげようとトイレを掃除したら配管にスポンジが詰まり、業者さんに10万円支払う羽目になったこともありました。ダメな時はとことん負の連鎖に取り憑かれるのですよね。
昨年、嶽本野ばら復活! と騒がれたのは一過性のものだと思っています。一度、沈んだ人間は簡単に浮かび上がれない。今こうして無事に生きていることが奇跡です。
でもこの奇跡は神様が与えてくださったものではなく、何があってもついていくと言ってくれる読者から与えられたものだと信じているので大事にしたい。