1993年の記録的な冷夏で起きた「平成の米騒動」では、政府は日本米と輸入したタイ米のブレンドを推奨したが売れ行きはいまひとつだった(時事通信フォト)
例えば、政府が放出を決めた大量の「備蓄米」は、単一ブランドの米として販売されるわけではないという。様々な備蓄米が「ブレンド」された上で、市場に出回る可能性が高い。すると、需要がなく、行き場がなくなった保管状態の悪い「買い占め米」までが、どさくさに紛れて市場に流通してしまう可能性もあると説明する。確かに、出所不明の怪しい米だろうが、混ぜられてしまえばわからないのだ。
「米問屋のうちにまで、外国人業者から米を買わないか、としきりに電話が来るようになったよ(笑)。おそらく、余っている米があるのでしょう。様々な銘柄を揃えているというが、実物を見た同業者は”ニセモン”と笑っていた。すでに、古米だろうが何だろうが混ぜた、偽の”コシヒカリ”なんてのも出回っているんだから」(米問屋店主)
日本人が愛してやまない「米」。足りない、高いと大騒ぎしていたが、まだまだ「米」に翻弄される日々は続きそうだ。