シーズン中は”マジック”が掲示されるボードが、阪神の2軍新施設オープンのカウントダウンに
巨人・阿部監督との「違い」
中日で後任指揮官となった井上一樹監督(53)など、現役時代の実績が“地味”に映る監督も増えているが、元スター選手が監督になるのは今でも珍しくはない。ただ、著書『ミスタードラゴンズの失敗』(扶桑社新書)で立浪政権の失敗を分析した江本氏は「立浪・藤川の2人には“コーチ経験なしに監督となった”という共通項もある」と続ける。
「立浪前監督は臨時コーチの経験はありましたが、あくまで“臨時”。長いシーズンを通して自分の理論を選手たちがどれだけ実践できるか試行錯誤する機会がなかった。
藤川監督も同じくぶっつけ本番の監督起用のため、自分の理論で指導して上手くいかない時の悩みは深くなると思う。チームの急失速や主力のケガなど経験したことのない事態をどう凌げるかも問われることになる」
藤川監督と同世代の巨人・阿部慎之助監督(45)は就任1年目にリーグ制覇を果たしたが、就任前は3シーズンにわたり二軍監督やヘッド兼バッテリーコーチなどを経験している。その違いは大きいとする見方だ。
「藤川阪神にはヘッドコーチがいないことも気になります。“負けた時も責任は自分ひとりが負う”との考えなのかもしれませんが、経験がないなかひとりで抱え込むリスクは大きい。注目度が高くて発言力が大きいスター監督ならなおのこと。巨人V9の川上(哲治)時代の牧野茂ヘッドコーチのように、言いにくいことも直言する参謀が必要です。
立浪中日にもヘッドコーチはいたが、落合英二と片岡篤史という同級生を据えた結果、“お友達感覚”で失敗しました。藤川阪神のヘッドコーチ不在がシーズン中にどう転ぶか……」(江本氏)