性的と話題になった(マルちゃん公式YouTubeチャンネルより)

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炎上した「赤いきつね」と「緑のたぬき」CM

 あれからちょうど50年。今年の2月6日に東洋水産が発表した「赤いきつね」と「緑のたぬき」の WEB CMが炎上した。 Xで公開されたショートアニメである。

「赤いきつね」は、若い女性が一人暮らしの部屋で恋愛ドラマらしきものを見ながら、吐息を発し目を潤ませている。ティッシュで涙を抑えたりして、吐息を吐いてからカップ麺の蓋を剥がし、寒いのか指先に吐息を吹きかけてから、赤いうどんを啜る。またもや吐息を吐いて「おいしいぃ」とつぶやき、今度は片方の耳にだけ髪をかけ、油揚げを小さく齧り、またうどんを啜る。泣いたせいか、酒でもかっくらったのか(そんな描写はないけれど。机の上の水の入ったコップ、実は焼酎かなんかなの?)、ずっと頬を赤らめている。

 対して「緑のきつね」は、雪の降る校舎が描かれた後、職員室で若い男性がパソコンに向かう場面になる。同僚は帰っていくので、どうやら残業中のようだ。男性はパソコンを叩いているが、一旦のびをしてから、そばを啜りはじめる。度々パソコンを叩きながらも、そばを啜り続ける。

 見比べてみると、女性だけ過剰に「うるうる・はあはあ」なのは一目瞭然。ダッセーなあ。本当にダッセー。しかし、ダッセーと思うだけでは済ませず、きっちり「性的」「不快」と声を上げる人が多数おり、いわゆる炎上状態になった。当然の流れで「あれを見て性的とか、いつもエロいこと考えているからじゃないの?」といったダメな昭和おじさんの思考を見事に継承したからかいも少なくなかった。

 そもそも、女性がドラマを見ていて、男性が残業というのもずいぶんと古臭いステレオタイプではないだろうか。CMは個々を描いてはいけないというわけではまったくなく、この場合はむしろ個々というより「赤いきつねと緑のたぬき」が発信する女性像、男性像だからこそ、時代遅れのステレオタイプを設定することを残念に思う。

 当の東洋水産はこうした声をまったく無視。Xのフォロワー30万人を達成したいと息巻き、それに応える形で、アース製薬、フジッコ、サッポロビール、ニッポンハム、アパマンショップ、三菱電機といった大手企業が次々と東洋水産のアカウントをフォローしていたことが明らかになった。タニタというターゲットの中心は女性であるはずの企業までフォローしたのには、何か理由でもあるのだろうか。むしろ機運を高めるために使っているかのような動きには、もしかしたら最初から炎上商法を狙っていたのかという見方さえ出た。謝罪が必要とはいわないけれど、令和の時代、企業としてあの対処、姿勢でいいのだろうか。

「私作る人、僕食べる人」の時代からインスタントの麺は目を見張るような進化を遂げたけれど、残念ながらジェンダーについては大した進歩はないようだ。

 ちなみに国際女性デーの象徴はミモザ。私も38日は自宅の居間に黄色い花を飾るようにしている。赤=女性という安易な発想は著しく時代遅れで激しくダサいんですけど、東洋水産さんはどうお考えですか?

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