『THE夜もヒッパレ』のスケジュールはガッチガチだった
『THE夜もヒッパレ』は半音はずれても“残業”
「『THE夜もヒッパレ』はただのカラオケ番組だろう?」と言う方がいますが、制作の現場は番組で見せる“楽しく歌って遊んでいる”ような雰囲気の番組じゃなかったんですよ。スタッフはきっちり仕事をするプロフェッショナルの塊でしたから。
リハーサルをたくさんしていたので、スケジュールはガッチガチ。午前中にスタジオ入りして、全曲紹介して、カメリハ(カメラリハーサル)、本テス(最終段階のテスト)、本番でしたから。僕には専属のディレクターがいて、作家さんの書いた台本に、英単語を入れたりしながら一緒に最終版の台本を作りあげていました。もちろんアドリブもありましたけどね。
ディレクターらは譜面が読めて、ちゃんと音程がとれているか聴ける人たちでしたから、ハモれていなかったとか、音程が半音ずれていただけでも指摘され、居残りで録り直しさせられるんです。「残業してくださ~い」って。厳しかった。
それでも、安室奈美恵ちゃんとかSPEEDの4人とかは、一度も残業しなかったんじゃないかな。一番、残業回数が多かったのは、森脇健二だったと思います(笑)。でも、プロの歌手でも完璧に歌うなんて難しいのに、彼は歌手じゃないんだから、無理もないですよね。