相撲人気は確実に高まっているが…(時事通信フォト)
エディオンアリーナ大阪が会場となる大相撲春場所が初日を迎えた。昨年は28年ぶりに全6場所(90日間)が「札止め」となる相撲ブームで、会場は満員の客で埋まっている。なかでも土俵に一番近いところで取組を観られるのが「溜席」だ。実は、大阪場所の溜席をめぐって、90年の歴史を持つ相撲協会の協力団体内でトラブルが起きているという。
溜席は土俵下の四方にある席で、土俵の砂が飛んでくることで“砂かぶり”とも呼ばれ、臨場感あふれる観戦が楽しめる、いわばプラチナ席だ。本場所が始まると、NHKの中継カメラに溜席で観戦する好角家の有名人の姿が映し出されて話題にもなる。溜席は土俵の周囲四方に約500席あるが、そのうち一般販売されるものは一部のみとなる。
本場所で力士の技能審査をする立会人という位置付けの「維持員」が15日間を通して座る席があるからだ。東京(1月・5月・9月)、大阪(3月)、名古屋(7月)は300席、福岡(11月)は250席が維持員席に割り当てられ、残りが一般販売されるかたちだ。協会関係者が言う。
「維持員になるには協会に維持費(寄付金)の3年分を一括で支払う必要がある。東京は年3場所で405万円(3年分)、その他は年1場所で3年112.5万円(同)という額になる。維持員には普通維持員に加え、長期間にわたり協会の事業に協力して功績顕著と認められた特別維持員、そして団体維持員という3種類がある。
普通維持員や特別維持員は、維持員となった各個人にチケットが送られてくる。維持員の責任で別の人にチケットを渡して座らせるケースもある。ただし、大阪だけは一部が団体維持員になっており、それが『東西会』です。団体維持員の場合、各個人にチケットが送られるのではなく、90人分のチケットが一括で東西会の事務局に送られます。このチケットをめぐって東西会の内部でトラブルが起きているのだといいます」