抽選をめぐる不満
東西会は1937年3月に発足した団体で、同会のHPには〈財団法人日本相撲協会の事業に協力し、相撲道の奨励、振興をはかると共に相撲道を通じて社会道義の昂揚と社会福祉に寄与することを目的として設立されました〉とある。会員のひとりによれば「東西会は関西財界でステータスの証。欠員が出ないと入会できず、順番待ちがある状態です。入会にはメンバーの紹介が必要で、審査もある」という。
その東西会の会員2人が昨年12月に除名処分となった。会員宛に送られた除名処分の事由には〈本会会合での言葉遣い、目上の人に対する目に余る振る舞い、相手の話を聞こうともせず自分の主張ばかり押し付けようとする態度が、「相撲道の奨励、振興をはかるとともに相撲道を通じて社会道義の昂揚と社会福祉に寄与する」という本会の目的を達成する会員としてはふさわしくありません〉などとあり、〈熟慮の末に処分を行った〉という。東西会の別の会員が背景を語る。
「東西会では団体維持員として一括でチケットを事務局が預かる。各個人は木戸を通るための通券を使って入館し、控室で事務局から席が割り振られます。チケットの1枚1枚には個人名が書かれているが、その個人名とは無関係に割り振られる仕組みです。会員の人数より維持員席の席数のほう多く、欠席する会員もいるため、座席が歯抜け状態になることを避けるためにこのようなやり方で配るのが慣例になっていた。
ただ、もともとは会場に到着した順で席を決めていたのですが、少しでもいい席に座ろうと来場時間を前倒しする人が多くなった。早朝から列ができるようになり、協会から防犯上の問題を指摘されたといいます。そこで午前11時の時点で集まった会員については抽選で席を決めることになった。この抽選が不透明だという不満が会員から出ているのです。
テレビに映る向正面の席に座れるのが東西会の幹部ばかりという状況もあり、“同じ会費なのにおかしい”と一部の会員が声を上げた。2年前に東西会詰所事務員とのトラブルもあったが、他にも会費(年27.5万円)の使い道などにもクレームをつけていたところ、いきなり5段階で一番重い除名処分が出たのです」