グラビアモデルから女優へと転身した小松みゆき
大学時代に19歳でスカウトされて芸能界入りし、グラビアモデルから女優へと転身した小松みゆき(53)。にっかつVシネマなどでファンを獲得する一方、映画『北京原人Who are you?』(佐藤純彌監督・1997年)やドラマ『大奥』シリーズ(フジテレビ系・2003年~)の藤波役などでの演技が評価され、様々な作品に出演してきた。
近年はキャストとしてだけではなく、「インティマシー・コーディネート」担当としても作品にクレジットされる。なぜ、その役割を担うようになったのか。初めてインティマシー・コーディネートに携わった映画『月下香』(淵澤由樹監督・2022年)について、その背景を語った。【全3回の第2回。第1回から読む】
「私自身の経験ではこれまで、セクシーなシーンで困ることがよくありました。ベッドシーンの撮影で監督から具体的なイメージを提示されることは少なくて、ほぼ丸投げ状態といいますか……、役者の力量次第という現場ばかりで。自分の“持ちネタ”を披露しなければいけない俳優さんも大変だったと思いますが、受け身が多くなる女優としても、自分の身に次は何が起こるかわからない恐怖を常に抱えていました」
ドラマであれ映画であれ、監督からカットがかかるまで延々と撮影が続けられる。
「“これは違うのかな”と思えば、演技もどんどん過激になる。思いもよらないところに共演俳優さんの手がきてしまったり、隠していた場所が見えてしまったり。撮影後には“あそこまでしたくなかった”という思いがどうしても、膨らんでしまうんです。どうしてセクシーなシーンだけ絵コンテがないんだろう、この角度からお尻を撮るのにどうしてこんなに時間がかかるんだろう、と疑問はたくさんありました。でも、そこに不満を持つのは単なるわがままなのかなって。役者は口を出してはいけない領域だと思っていたんです」(以下、小松)