真っ赤な衣装に白塗りの奇抜メイクでライブ出演した田村修被告(本人のSNSより)
検察側と弁護側の主張が真っ向から対立していたが、検察の求刑を大きく下回る判決となった。札幌地裁は、死体遺棄ほう助と死体損壊ほう助については認定したものの、殺人ほう助の成立は認めなかった。
量刑の理由は、以下の通りだ。
〈被告は瑠奈が死体遺棄を開始してからこれを容認したとまでしか認められず、また、同遺棄に対して積極的な行為には出ておらず、死体損壊も物理的なほう助をしたとはいえない。
しかし、自宅浴室を(遺体の頭部を)隠匿する場所として容認したことは、瑠奈が望む死体遺棄等にとって本質的な場所を与えた重要な行為であったとはいえ、また被告は、瑠奈にとって浩子と共に実の親であり、少なくとも現実世界の生活上、依存する存在であったうえ、瑠奈の犯行を阻止できる唯一の立場にあったから、被告が死体遺棄・損壊を黙認したのみならず賛辞とも取れる発言をしたことなどが瑠奈の犯意を心理的に促進した程度も決して小さくなかったとみるべきである〉
修被告は事件当日の妻・浩子とのLINEのメッセージの送受信履歴などを削除していた。本人は、「事件に関するやりとりが目に入るのが嫌だった」と釈明しているが、わざわざ通話履歴まで削除していることには不自然さも感じられる。