「30年前」の田村修被告(本人のSNSより)
裁判所は「都合のいい供述をしている」とも
これらに対して札幌地裁は、〈主として証拠隠滅の目的で上記行為に出たものと推認できる〉として、厳しい言葉も投げかける。
〈裁判所が認定した死体損壊・死体遺棄ほう助については事実を概ね認めて後悔の態度を示しているものの、その経緯については自己に都合のいい供述をしている点も少なくなく、死者のことを真摯に思って反省しているとはいい難い〉
その上で、執行猶予つきの判決とした理由を述べた。
〈被告に前科がなく、瑠奈との関係が元に戻らない限り再犯のおそれはないこと等を踏まえると、上記犯情及び一般情状をもってしても、実刑に処すべきであるとまではいいがたく、刑の執行を猶予するのが相当である〉
修被告は、前回の裁判と同じく黒いスーツ姿で出廷し、判決を聞くあいだも特に表情に変化はなかった。ポーカーフェイスの下には、まだ裁判が続く妻、そして改めて精神鑑定が行われている娘への思いが渦巻いていたのだろうか。