ガンダムのような体躯だ
同年代の「希望の星」になりたい
Aさんの徹底したマネジメントもあり、新たな形で「復活」を遂げていた角田。63歳になった今の抱負を聞くと、「僕にはもう、夢はないんです」と穏やかに笑った。
「僕ぐらい夢を叶えた人間はいないんじゃないかと思うくらい、いろんな経験をしてきたので、自分の夢はありません。ただ、僕がこれまでやってきた姿や言葉に影響を受けて、俺をパワーにして頑張ってくださる人がいる。自分の言葉やアクションが、『強くなければ生きてはいけねえぞ』というメッセージとして残していければとは思っています。
筋肉は雄弁なんです。鍛え上げた筋肉を見て、みんな目がハートになる。そのためにはいつまでも『マッチョなオヤジ』でいなければならないですし、70、80になっても身体のコンディションはキープしたい。この1、2年で血圧もあがってきたし大丈夫かなぁと感じることもありますし、年齢には抗えないんですけど。そこを受け入れたうえで、『スーパーマンみたいなじじいだなぁ』と、同年代の方から希望の星だと思われるように頑張っていきたいですね。
僕は空手家なので死ぬまで鍛錬をしますが、死んだ時に悲しいお葬式は嫌。笑顔で皆さんをお迎えして、『死後硬直で棺桶をかち割ります』と挨拶してやりたいですよ(笑)。 再婚したAさんとは23歳の歳の差で、彼女のお父さんが6つ上、お母さんが1歳上。お父さんが亡くなるのが先か、僕が先かという感じ(笑)。彼女は強い人なので、僕が亡くなった後も生きていけると思いますが、少しでも長く一緒にいたいなと思うくらいですかね、未練といえば」
人生の浮き沈みを乗り越えた漢・角田の背中は、その広背筋以上に力強く人々の目に映ることだろう。
(了。前編から読む)