“どん底”から復活を遂げたという角田
格闘家、歌手、俳優、タレントとしてマルチに活躍する角田信朗(63)。かつては格闘技イベント「K-1」のファイター・競技統括プロデューサーとして圧倒的人気を誇った。
2000年代後半、K-1の衰退と共に少しずつ表舞台から遠ざかった角田。2018年に新たな人生の伴侶である個人事務所取締役のAさんと再婚し、復活を遂げたが、当時は「どん底」とも言える時期を経験したという。角田本人がインタビューに応じた。【前後編の後編。再婚について語った前編から読む】
「K-1の角田」として名を上げた角田は2000年代当時、ドラマやバラエティ、アニメ声優まで、テレビ業界でも引っ張りだこだった。しかし「K-1」の衰退とともに、徐々に表舞台から遠ざかっていく。一つのきっかけになったのは2017年、あるお笑いタレントとの“行き違い”が、SNS上で炎上してしまったことだった。
「人生でも一番苦しい時で、ハシゴを外すように人が離れていきました。テレビやお付き合いしていた企業の方も、いろんな事情を考慮して自分を使わなくなったんだと思います。リング上で殴られることには慣れていましたが、SNSでメンタルを打たれることに免疫がなかったので、メンタルがぐしゃぐしゃになりました。
ただ、もろもろ落ち着いた今思うのは、僕から人が離れたのは騒動の影響だけでなく、『K-1の角田』というキャラクターの賞味期限が切れた時期と重なっていたのかもしれません」(角田、以下同)
1993年に誕生した「K-1」は、1996年にフジテレビがゴールデンタイムで中継。瞬く間にビッグイベントとなった。
「その後『K-1』が消滅するまでの約20年間、リング外で仕事をする際にも、常に『K-1の角田』という肩書がありました。個人的には20年間、『K-1の角田』として、よくやってこれたと思います。だけど、K-1が終わる時期と、いろんな騒動が重なった。人生の中でネガティヴなことって、いっぺんにやってくるんですよ。それは誰のせいでもなく、自分が取った行動の結果。
今にして思うと、全盛期の頃は思い上がっていたことも多々あったと思います。それでも、あの挫折を味わったことで、感謝の気持ちを持つことができた。本当に勉強になった一件でした。またいつか先方と握手をして、笑い話にできる日がきっと来ると思っています」