田村一家の自宅前にはいくつものクーラーボックスが置かれていた
〈瑠奈は7月2日午前3時ごろ、被害者の頭部を損壊する目的をもって自宅に運び入れたうえ、同月7日のビデオ撮影までの間に、頭部の皮膚を剥ぎ取った。
さらに眼球や舌を摘出し、また時期は特定できないものの食道気管も摘出するなどの損壊行為に及んだ後、摘出したものをエタノールで満たした瓶に詰め、剥いだ皮膚を球状にしたザルにかぶせて自ら浴室に吊るした。
残りの頭部も同浴室に置いており、死体を相応の期間保持・保管する意図で、このような状態を続けていたものと認められる〉
修被告は、瑠奈被告に眼球や舌が入った瓶を見せられて、「すごいね」と発言していた。札幌地裁は、このような態度が娘の犯行を助長したと捉えている。
〈家族の共用部分である浴室を瑠奈が死体の隠匿場所として専有することを黙認し、死体遺棄行為を物理的、心理的に容易にしたといえる。
また、瑠奈にとって実の父親であり、少なくとも現実世界で依存関係にある被告が、眼球などが入った瓶を瑠奈から見せられて「すごいね」などと言ったことは、調子を合わせたものであるとしても、死体遺棄行為を積極的に肯定したと(瑠奈被告本人に)伝わる発言というほかない。
頭部を保管することを咎めたり警察に通報したりするなどの態度に出なかったことと合わせて、死体遺棄を継続しようという瑠奈の心理を強めたものといえる〉