ウィッグ姿に白塗りの奇抜メイクでライブ出演した田村修被告(本人のFacebookより)
なぜ殺人ほう助が認められなかったのか
検察側は、修被告は「ディスカッション」と称した話し合いを行なった2023年6月18日までに、瑠奈被告から殺人および死体損壊の計画を聞かされており、そのうえで刃物・キャリーケース・ハイターなどの犯行用具を購入したり、犯行現場などへの送迎を担ったりしていたと主張していた。
しかし札幌地裁は、瑠奈被告は6月18日以降も犯行用具を追加でいくつも購入しており、また今回の犯行の参考にしたとされるホラー映画も同日以降にレンタルしていることなどから、「ディスカッション」時点で計画の詳細は確定されておらず、検察側の主張は成り立たないとの判断を下したという。
また、これまでに明らかになった“瑠奈ファースト”の家庭環境や、瑠奈被告が18歳から自宅に引きこもっていた状況などを考慮しても、殺人ほう助の立証には至らないとした。
「検察側の主張では、瑠奈被告は両親の協力なしでは殺人などを実行できず、また、両親が娘の願いに可能な限り応えるように振る舞っていたことなどから、瑠奈被告が両親に計画を打ち明け、協力を求めるのは不自然ではないとしていました。
しかし、瑠奈被告による一連の犯行は日常生活とは全く異なる重大な犯罪であることから、計画を打ち明けても両親から反対されたり止められたりしないと確信していたことまでは推認できないとして、検察側の主張は認められませんでした。
くわえて、このような家族関係があるとしても、瑠奈被告が両親に目的を明かさず、あるいは適当な目的を言いながら、犯行用具を購入させたり、送迎させたりした可能性は否定できないとしました」(同前)