真っ赤な衣装に白塗りの奇抜メイクでライブ出演した田村修被告(本人のSNSより)
不可解な点もあるが…
一方で札幌地裁は、修被告と母・浩子被告(62)の供述には少なからず信用できない部分もあるとした。
修被告は、瑠奈被告がホテルでAさんを殺害した直後の7月2日午前2時52分ごろ、自宅近くのコンビニエンスストアで1kg入りの氷を4袋購入している。さらに、自宅に瑠奈被告を連れ帰ってきたあとも追加で4袋購入しているが、この時点で修被告は、瑠奈被告がキャリーケースから黒色のビニール袋を取り出すのを目撃していた。実際、このビニール袋にはAさんの頭部が入っていた。
「娘に大量の氷を購入させられたことについて、修被告がその用途を尋ねなかったことや、これほど多量の氷を必要とした不可解さなどから、何らかの冷やす必要性がある“大きなもの”を瑠奈被告が持ち帰ってくることを事前に認識していた可能性はあると札幌地裁は述べました。
とはいえ、これまでに明らかとなった事実関係では、修被告が瑠奈被告の殺人計画などを認識していたと強くうかがわせるものがないため、氷の購入状況のみを持って瑠奈被告の意図を推認することは困難であるとしました」(同前)
よって、今回認定できる事実としては、修被告が認識していたのは、7月2日午前3時ごろ、Aさんの殺害後に瑠奈被告が「(1)Aさんの頭部を自宅に置くこと」と「(2)死体遺棄をするつもりであること」の2点のみであると判断が下されたとのことだ。
親子3人のうち初めて出た判決だが、すべての真実が明らかになったとはいえない──。