ライオンの子保育園の創業者である末広尚希氏(左・Xより、保育園の写真はイメージです)
「見て下さい、これ。あんな不祥事を起こした保育園のものとは思えなくないですか」──那覇市に住む主婦のAさん(42)は呆れまじりの苦笑を浮かべ、手元のスマートフォンを示した。
スマホの画面に映し出されていたのは、Instagram(インスタグラム)へのある投稿。そこには「#保育士募集中」のハッシュタグとともに派手な雰囲気の写真の数々が載せられていた。
「お電話まってます(ハートマーク)」のメッセージに添えられた、油性マジックで眉毛とほくろを強調するような“メイク”を施した女性2人の写真、チラシを切り抜いたかぶり物とサングラスで仮装した女性がおどける写真。「不審者訓練も本気で不審者やってます」のテキスト付きの写真では、「不審者」の仮装だろうか、サングラスにマスク、毛布をかぶって妖怪漫画「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するネズミ男を思わせる出で立ちの人物が被写体になっている。
これらはいずれも、補助金の不正受給を巡る疑惑に揺れる「ライオンの子保育園」の公式アカウントに掲載されたものだ。「募集要項」が添えられており、保育士の採用を募るためのポストとみられるが、同園はいま、楽しげな投稿とは裏腹の深刻な事態に直面している。地元メディアの記者が解説する。
「2月28日、特別監査の発表により、ライオンの子保育園グループの不正が大きく報じられました。グループは県南部の那覇市や浦添市、中部の宜野湾市など県内で認可、認可外の保育園7園を展開ししています。
実はこれらの保育園を運営するホールディングスと社会福祉法人が、長期間にわたって補助金などの公金の不正受給に手を染めていたことが発覚したのです。勤務実態のない職員を虚偽申請する手口で、職員数に応じて配分される市からの補助金を不正に受け取っていました。