末広氏はマスコミにも取り上げられる有名人でもあった(Xより)
一連の問題が発覚する直前の2024年1月、地元紙「沖縄タイムス」の「新春トップインタビュー」に登場し、前年に創業12年目を迎えたことについて、〈ライオンの子保育園の創業理念、「一隅をも照らせ ライオンの子」その実践と理論がさらに深められて充実した1年となりました〉と振り返っている。同園は、地域の課題や弱い立場の人を照らす「一灯照隅(いっとうしょうぐう)」という理念を掲げており、保育を通じて家庭や社会の問題へもアプローチする姿勢を見せてきた。
「末広氏が常々口にしていたフレーズが『保育革命』。自ら『幼児教育研究家』を自称する通り、新しい取り組みには積極的でした。『見える保育室』を掲げてSNSを活用した情報発信に取り組んだり、沖縄の伝統舞踊『組踊』を園児が参加する催しに取り入れたりもしていた。園児による創作組踊はメディアにも取り上げられて話題になっていましたね」(地元関係者)
人々の耳目を集める仕掛けを次々と打ち出すプロデュース力には目を見張るものがある。経営者として注目を集める前には、舞台上で自身がスポットライトを浴びる立場にいたこともあるという。
「宮古島出身の末広氏は高校卒業を機に島を離れて上京するのですが、その時組んでいたロックバンド『gulff』のボーカルとしてメジャーデビューを果たしているのです。作詞作曲も担当し、テレビ番組の主題歌に抜擢されたこともあります。県出身のタレント、ガレッジセールのゴリが主演した映画への出演や、声優としての活動もしています。こうした芸能界での経験からもメディア受けすることへの嗅覚が磨かれていったのかもしれません」(同前)
渦中の末広氏は3月、県などが一連の不正での被害額を公表を受け、保護者向けの説明会で「多くの不信感、ご迷惑を掛け、深くおわびを申し上げる」などと謝罪した。ただ、「問題の責任を取るため」として一度退任したホールディングス代表の座に、すでに再任していたことも明らかにしている。
個性的なインスタ投稿に「本当に反省しているのか」と憤りを隠せずにいる保護者の反応を見る限り、批判の声はまだまだ止みそうにない。