『縁切りエマ』(c)とらふぐ・今井康絵・伊藤征章/小学館
悪縁を切るのにはそれ相応の覚悟は必要
一方、『縁切りエマ』は黒い絵馬に願った縁切りが、衝撃的な形で成就するというブラックなファンタジーだ。
「老いや不倫、依存といった“闇”を描きつつも、怖さのなかに、何かしらの救いがあるような結末を意識しています。悪縁を切るには、それ相応の覚悟が必要になるもの。ですが、それでも行動に移すべき時もあるでしょう。今直面しているさまざまな悪縁の本質を見極めることは、人間関係を再構築したり、執着から自由になったりすることにもつながります」
読者からは「明るくキャッチーな『ワタサバ』とは全然違うタッチで驚いた」との声もあるが、「ある意味では共通しているんです」ととらふぐさんは語る。
「どちらの作品も、登場人物は“サバサバ”や“縁切り”などを通じて、自分らしい生き方を選んでいきます。いろいろなしがらみがあるなかでも、自分らしくあるための第一歩を踏み出すようなきっかけになれば、と思います」