ビジネス

《ネズミ混入みそ汁騒動》公表までに2か月 杜撰な対応で「すき家」が失ったもの

ゼンショーホールディングスが運営する「すき家」が問題の画像についてコメントした(時事通信フォト)

ゼンショーホールディングスが運営する「すき家」が問題の画像についてコメントした(時事通信フォト)

 不祥事が発覚したとき、いつ、どのような対応をするかによって、その企業に対する世間の印象が大きく変わる。店舗で提供した「みそ汁」に「ねずみ」が混入していた件について「すき家」が公表したプレスリリースが与える影響について、臨床心理士の岡村美奈さんが分析する。

 * * *
 運ばれてきた味噌汁のお椀にネズミの死骸が浮いていたら!?、想像しただけでゾッとするような事案が、大手牛丼チェーン「すき家」の店舗で起きた。だがそれ以上に問題視されたのは、事態発生から公表までに2か月がかかったことだった。このタイムラグによって、本社がHPで謝罪した文面はずいぶん印象が悪くなってしまった。

 Googleマップ上の店のクチコミ投稿に投稿された画像には、確かに黒いネズミの死骸がまるっと浮かんでいる。たまかけ朝食を注文したという客が、投稿したものだが、それはあまりに大きく、味噌汁の具材とともにポカリと浮かんでいる。見てわからないわけがない、気がつかないはずがないと誰もが思うようなサイズだ。投稿者は「考えられません。一応保健所と本社には連絡しました、これ以降食欲湧きません」とコメントしたが、投稿日時の表示が「2028年1月21日」となっていたこともあり、SNS上では”フェイク画像ではないのか”という疑問が相次いだ。だがすき家は3月22日、公式HPで混入を認めて謝罪した。ネズミ混入は事実だったのだ。

 すき家のHP、「すき家に関する一部報道について」2025年3月22日には冒頭、《鳥取南吉方店で提供した「みそ汁」に異物(ネズミ)が混入していたことに関する報道がありました》とある。SNS上で話題になっていた投稿に対し、すき家に問い合わせたのはNEWSポストセブンだ。この問い合わせがなければ、異物混入を公表することはなかったのかもしれないと思わせるのに十分な書き出しだ。

 さらに《混入原因について調査を行った結果、「みそ汁」の具材をお椀に入れて複数個準備をする段階において、そのうちの1つのお椀の中に異物が混入していたと考えられています》とある。事態の説明も大事だが、客や関係者へのお詫びはまだ出てこない。しかも誰に”考えられている”というのか。当事者企業としては「考えます」か「考えられます」が正しい表現ではないだろうか。このため少々他人事のような印象で、とにかく釈明しなければという意識が前面に出てしまいっている。

関連記事

トピックス

「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン