周囲をキョロキョロと伺う(写真提供/うさぎ写真家uta)
被告は捜査段階から全ての容疑を認めており、動機、犯行態様も検察官が立証した通りであると供述した。不安感からか少し震えるような声であったものの、受け答えもはっきりしており、事実に向き合っているように感じられた。
元々は小動物が好きだったこともあり、初めての大久野島への訪問時は虐待する考えなどなかったという。しかしその後、SNSでの関連動画として、うさぎが悲鳴を上げていたり、解体されたりする動画が表示されたことで視聴してしまう。
弁護人「その動画を見て自分でも虐待したい欲求になったのですか」
被告「初めは『かわいそう』という思いでした」
弁護人「そこから虐待したいと思うようになったのは」
被告「『かわいそう』と思う反面、『虐待してみたい』というよからぬ思いも」
弁護人「その『虐待してみたい』という思いを自分ではどう思っていましたか」
被告「自分は異常だと思いました」
しかし男は虐待に及んでしまう。最初の犯行時の心境について「多少の躊躇はあった」とも供述している。
弁護人「周囲の人に相談はできなかったのですか」
被告「この異常さを周囲に知られたくなく」
弁護人「どうして知られたくないのでしょうか」
被告「知られるのが嫌……恥ずかしいという思いがあり」
その他にも事件を重ねる中で「欲求を抑えられなかった」とも供述する被告。犯行当時に感情、行動のコントロールができていなかったことを現在では認識しており、専門機関のカウンセリングを受けることを検討しているが、具体的な場所などはまだ検討中だ。
社会復帰後は、事件時は別居していた両親のもとに帰るという。家族による情状証人の出廷はなかったが、父親は、被告と同居することや専門家へ相談しながら監督するといった旨の陳述書を提出している。